特別座談会 「世界に羽ばたく力を育てる子育て体験談」


インターナショナルスクールを子どもの進学先として選択するとはどういうことなのか、その決断が本人や家族にとってどのような意味を持ち、将来の進路にどのような影響をもたらすのか・・・。

NIS卒業生、そしてその保護者の生の声をお聞きください。

 

この特別座談会にご参加下さいましたNIS卒業生とその保護者、および、本座談会を企画、実行して下さいましたNISの保護者ボランティアの皆様に心より御礼申し上げます。


Panel Discussion “Why NIS?”
-世界に羽ばたく力を育てる子育て体験談-


日時:2019月14日 14:00  1530
場所:名古屋国際学園 図書室
参加者:NIS保護者及び入学を検討中の保護者 約30名
企画、運営:
NIS Parent Partner Outreach Team

司会:本日はお忙しいところお集まり頂きありがとうございます。私たちは保護者によるボランティアのチームです。私たちは、一流のインターナショナルスクールには、教師と生徒だけでなく、保護者を含めたチームとしてのコミュニティが必要だと考えています。

日本の義務教育課程とは大きく異なるNISをお子様の進学先として選択することは、教育、進路、人生の選択まで含めた非常に大きな決断です。このパネルディスカッションを通して、お子様をNISに入学させたいとご検討中の皆様に、その決断のヒントをご提供できれば幸いです。

本日は、実際にお子さんをNISに通わせた保護者の皆様をお招きし、国際教育について、またNISが子どもたちにどのような教育の機会を提供したのかなどを語って頂きます。

 

[パネリストプロフィール]

Student 1(以下S1):中国で生まれ、13歳まで北京のインターナショナルスクールに通う。2014年にNISに編入。2018年卒業、アメリカの大学にて公衆衛生と脳科学を専攻
Parent 1 (P1):S1の母親
Student 2 (S2):都内のインターナショナルスクールを経て2006年NISに編入。2018年卒業、2019年4月に日本の大学の医学部に入学予定
Parent 2 (P2):S2の母親 2016年にNISを卒業した娘もいる
Parent 3 (P3) : 2015年卒業生、2016年卒業生、現在6年生の娘を持つ。母親本人もNISの卒業生

 

[ディスカッション要約]

日本の大学か海外の大学か、決め手になったのは何か?

S2:日本の大学かイギリスやオーストラリアなどの海外の大学か悩んだが、最終的には、どこで活動したいかを考えると、日本で医者になりたかったので、海外の大学の医学部を出ても日本で医者になることは難しいと知ったので、日本国内の医学部を選んだ。

S1:高校生になってから、SATACTの塾に通い始めた。11年生時にSATACTを受けた結果を見て、アメリカに行った方がいいかなと思った。日本の医学部も考えたが、アジアで育ったのでアメリカの大学に挑戦したいと思った。アメリカで行きたかった大学に合格したのでアメリカに決めた。

P:娘はマルチカルチャーの環境で育ち、13歳の思春期に日本で新しい環境に慣れるのに時間がかかる中、北京にいた頃の友達はみんなアメリカの大学に行く子が多かったので、アメリカに行くのかなと思っていた。大学のサマープログラムに参加したりするうちに 、大学を選ぶために世界一周を考えたくらい、非常に迷った時期があり、考えられるすべての国を検討した。SATACTを受けたりする中で、挑戦したいという気持ちが芽生え、だんだん気持ちが固まり、最終的には自分の夢だったアメリカの大学を目指そうと決断したようだ。親としては、本人が行きたいところであればどこでも良かった。マルチカルチャーでのびのびと育ってきたので、一度海外に出るのもいいかなと思っていて、本人がアメリカに行きたいと言ったときには、やっぱりそうかなと快く応援したいと思った。アメリカの大学教育の魅力は、カリキュラムが非常に柔軟で充実しており、学生の教育に力を入れていること、大学教育は厳しいので、学問に専念できることで貴重な時期を効果的に過ごすことが出来る事だと思う。

P:現在イギリスの大学に通っている長女は、当初はオーストラリアの大学に進学したが、周囲のアドバイスで2年目からイギリスの大学に編入した。次女はアメリカとイギリスの大学に出願したが、アメリカの政治情勢などを見て、イギリスに進学することを決めたようだ。本人の意思を尊重するつもりでいたので、二人とも望んだところで大学生活を送っていると思う。

P2016年にNISを卒業した長女は、IB入試により日本の国立大学の医学部に入学した。彼女も日本で医者になりたいと思いながらも、アメリカの大学への憧れもあった。結局、アメリカで行きたかった大学に入れなかったこと、日本で医者になりたいのなら、日本の医学部を出なければならないということから、当時唯一日本の医学部でIB入試のあった大学に行くことになった。しかし、日本の大学での環境の違いに大きなカルチャーショックを受けて苦しんでいる 。世界各国に可能性が広がっているNISの環境がゆえに、日本人として将来どこで何をしたいのか、進路を決定するのはとても難しいと思う。

 

SATACTとは?

S1SATACTは、多くのアメリカの大学で出願要件とされる統一試験。SATReading Comprehension (読解力)Essay(小論文)、Math(数学)の3科目で、ACTはこれらにScience(科学)が加わる。多くの生徒は10年生、11年生から受験して、アメリカの大学に出願する際にスコアを提出する。SATは1600点満点、ACTは36点満点だが、アメリカの一流大学に合格するためには、SATは1400点、ACTは32点を目指すべきだと言われている。

P3SATACTが必要なのはアメリカの大学に出願する場合で、ヨーロッパや日本の大学を目指すのであれば、IBのスコアが重要だ。

 

アメリカの大学を目指す場合、SATACTのどちらかでいいのか、それとも両方受けた方がいいのか?

S:私は両方受けたが、どちらでもいいと思う。ほとんどの生徒はSATを受けていると思う。というのは、ACTには科学の試験があるから。ただし、ACTの科学は、科学的な知識というよりは、分析力やグラフの読み方が主なので、個人的には、両方受けてみて良い方を選べばいいいと思う。

 

試験対策はどのようにしたか?

S1:8年生から東京まで対策用の講座に通ったり、過去の問題を解いたりして勉強した。

 

<進学カウンセラーより注記>
統一テストのスコアは大学が入学審査の際に参考にする情報のうちのひとつであり、特にアメリカの大学が最も重要視するのは、11、12年生時の主要科目の成績です。近年、SATACTといった統一テストは学生の能力や成果をはかるうえで最適の指標ではないとして入学審査における位置付けを見直している大学も増加しています。志望大学をよく調査し、統一テストの必要性の有無を確認しましょう。統一テストのために学校での日々の学習をおろそかにするようでは、志望大学に合格の可能性を犠牲にすることにもなりかねないからです。

 

IBの生徒が日本の大学に出願する場合、一般受験とどう違うのか?

S2: 本来IBの入試とは、IBのスコアを提出するだけで、入学試験は必要ないものだと思うが、IBがまだ日本の大学に浸透していないため、IB入試でも入学試験を課す大学もある。しかし、IBを履修しながら日本の一般入試の対策をするのは到底無理なので、自分は入学試験のない大学を選択した。IBのスコアを提出し、簡単な面接を受けただけだった。

P2IBは45点満点だが、ある日本の大学では39点以上を医学部の合格ラインとしているようだ。日本の大学に4月から入学する場合、前年の6月にNISを卒業し、8月頃から出願し、10〜11月に面接を受け、その1ヶ月後に合否が通知される。4月までの期間をどう過ごすかが非常に重要な意味を持つ。一般的に日本の大学は、IBに対して期待はしているが、実際のところまだどういうものなのかが掴み切れていないところがあるように思う。次女が進学する大学からは、IB生として、大学全体においてより良い環境を作るために協力して欲しいと言われているようだ。

 

日本の大学に進学した場合、そこで必要となる日本語力はどのように身につけたらよいか?

P2: 日本の教育しか受けていない自分の経験から言わせてもらうと、個人的にはIBの日本語の方が、日本の学校の国語よりもレベルが高いと思う。もちろん、古文や漢文は学ばないし、受験のスキルもないが、IBでは分析力、読解力、文章力、表現力が要求される。これらについては英語でも徹底的に鍛えられて身についている。ちなみに日本語が必要なIB入試の出願要件とされる日本語のスコアは、(HLで)7点中5点だった。ただ、一方的に講義を聞くことには慣れていないので、その点は難しいかもしれない。

SIBの日本語の授業は、先生の話を一方的に聞いて頭に入れるというよりは、本を読んで分析する、意見をまとめる、証拠を挙げながら見解を述べる、エッセイを書く、プレゼンをするといった内容なので、応用力が非常に重要である。

 

将来の夢は? どの国で、どういった分野で働きたいか?

P3: 次女は、国際関係学を専攻していて大学院に進学する予定だ。将来は国連で働くことが夢だが、昨夏、東京の国連事務局長と共にパネルディスカッションに参加する機会があり、その際にも海外に出ることを勧められたので、将来は海外の国連機関で働きたいと思っているようだ。長女はコンピューター・グラフィックを専門として、コーディング、エディティング、建築、デザイン、環境問題など幅広い分野を学んでいる。今後も、地域と協力しながら世の中を変えていくことを目指し、大学院に進学してさらに深い学習をするつもりでいる。

 S1:現在、公衆衛生と脳科学を専攻していて、さらに大学院でどちらかをより深く学びたいと思っている。将来はCDC(アメリカ疾病予防センター)のようなところか、公衆衛生の分野で働きたい。

S2:まだ大学生活も始まっていないので分からないが、日本にいたい気持ちは強い。日本で医者になりたいと思う。

 

日本語でのコミュニケーションスキルや漢字など、日本語力はどのようにして維持したか? 日本語と英語とのバランスは?

 P2:特に次女は家では全く日本語を話さないし、日本語の本も読まなかったので、日本語力についての不安は大きかった。しかし、卒業して今、必然的に日本のコミュニティと関わる環境に身をおくことになり、日本語力は徐々についてきているように思う。本人のモチベーションが大切だ。

S2:自分でも日本語力は不安だった。日本人の友達は多かったが、小学校の頃は特に、学校では英語を話すよう言われていたので、だんだん学校で日本語を話すことは少なくなった。日本人の友達とも英語で会話していて、小学校時代は英語さえ話せればいいと思っていた時期もある。しかし、大人になるにつれ、バイリンガルであることの大切さが分かってきた。日本の大学に行くのは不安もあるが、大学に入るまで10ヶ月間の休みがある今、アルバイトをして日本語環境に身を置いて、もっと頑張ろうというモチベーションになっている。日本語も英語も、モチベーションが大事だと思う。

 

例えば漢字とか、新聞を読むとか、日本語力を維持するうえで大変なのは何か?

S2:同年代の日本人が読むものと同じものを読んで理解するのは難しいことは分かっているので、これからもっと頑張らなくてはいけないと思っている。一方、卒業後英語を話す機会が減ったので、英語力が落ちてきているようにも感じている。両方のバランスを保つのが難しい。

S1:私は中国で育ったが、中国にいた頃は、日本語を忘れないために両親が日本の教材を取り寄せてくれていたのが役立ったと思う。インターナショナルスクールだったので授業は英語だったため、中国語を維持するために中国語の本を読み、学校では友達と中国語を話していた。

P3:母国語を維持しながらも、すべての言語を完璧にしようとするのは、親にとっても子どもにとっても大変なことだ。長女と次女が小学生の頃、当時のNISの校長も教師も、自宅で母国語を大切にするようにと強調されていた。NISの日本語クラスでも漢字ドリルの宿題や漢字テストがあった。海外のサマースクールに行きながらも、日本語の問題集で作文などの課題をやらせていた。小学生の頃から、 家では読書時間を大切にし、また子ども新聞を勧めたりした。それでも本人たちが日本語の重要性に気付いたのは、海外の大学に進学してからで、自分よりも日本語や日本文化に詳しい外国人に出会い、これでは恥ずかしいと思ったようだ。

 

親としてどのようなチャンスを与えてあげたいと思うか? どんなことを大事にしてきたか?

P3:子どもがやりたいと言ったことにチャレンジさせてやりたい。娘たちには、「一生懸命いろんなことを努力すればたくさんの扉が開くが、怠けているとたった一つの扉を開けることも出来ない。学校に行けるのはとても幸せなことなのだから、先生の話をしっかり聞いて勉強しなさい」と言ってきた。当時はうるさいなあと思っていたようだが、世界に出ていろんな人と出会って、あらためて私や先生の言葉が理解できた、と最近娘たちに言われた。自分の気持ちや興味に任せながら、結果的にはNISの先生方に導いてもらった部分が非常に大きいと思っている。

P1:子どもの希望を最優先に考え、親が出来るのは環境をつくることだと思っている。やりたいことがのびのび出来る環境をつくり、本当に子どもが楽しんでいるかどうかを見極めながら環境を整え、他にやりたいことがあれば後押しをすることを心がけた。また、ここまでいろいろな人にお世話になり、支えて頂く中で、人と関わりながら育つのがとてもいいことだと思った。 いろんな人と関わりながら育ててきた。

P2:娘たちはNISの学校生活が大好きだったし、自分の子どもを入れている先生がいるNISがいい学校でないはずがないと思っていた。医学部に進学するために日本の学校に行った方がいいのか悩んだ時期もあるが、ちょうどその頃NISIBが導入され、IBの素晴らしさを知った。NISに入ったことで新しいことを学んだ。娘たちをとおして、世界中に友達ができた。子どものネットワークに自分も入り、子どもの友達、親、先生と親しくし、親も一緒になってネットワークを広げることが大事だと思っている。また、毎日お弁当を作り、その食べ具合で健康状態や好き嫌いを把握したり、学校へ送る車の中で積極的にコミュニケーションをとることを大事にしてきた。

 

全ての子どもにとってベストな学校はあり得ないと思うが、NISはどういう子どもが最も成長できると思うか?

S1:自習の時間が多いので、自力で勉強できる子、なんでも自ら挑戦できる、挑戦を恐れない子に向いていると思う。

P3:自分で学べる、学びを楽しいと思える子。娘たちは高校では理数系の科目を履修したのにかかわらず、大学では文系、アート系と全く違う方向に進んだが、それでも自分たちが学んだ時間は決して無駄ではなかった、本当に楽しかった、IBでいろいろ学ぶ機会があったことが良かったと言っている。逆に、勉強が好きではない子はIBには向かないと思う。DPが始まる前までに、学びの楽しさを知って自主的に取り組む姿勢、習慣を身につけることができたらいいと思う。DPが始まってから親が出来るのは健康管理と送迎ぐらいだ。

P1:勉強に関してはやはり自分でやれる子が伸びる。また、人間力という意味で、どれだけ真剣に自分自身と向き合い、自分にふさわしい道を選べるかがとても重要だ。ちなみに、日本人が海外の医学部に進学するのは非常に狭き門なので、日本人で医学部を目指すのなら日本の大学に進学した方がいいと思う。

P2NISは生徒の自主性が活かせる環境で、自主性がある生徒が伸びる。しかし、その自主性を育てるのは学校ではなく親や家庭の環境 。親がNISの良さを理解して、その良さを全面的に活かそうとしなければ、子どもは伸びないと思う。どこの学校に行っても合わない先生がいることはある。 合う先生がいれば、高校生が小学校の先生に教えてもらうことだって出来るのもNISのいいところ。また、小学生が高校生と関わることが出来ること。娘が小学生の頃は高校生がとてつもなく大きな大人に見えたが、実際に娘が高校生になると、ああそういう目で見てたんだなあと分かる。例えば小学生が憧れの目を持って高校生の卒業式を見たり、高校生の演劇などを観たり関わったりする機会があったり、高校生がELCや小学生の世話をしたりする環境にあるのは素晴らしい。ただし、そういった素晴らしさを親が理解していなければ、子どもが理解するのは難しい。

 

司会:ありがとうございます。残念ながらお時間となりました。皆様今日はありがとうございました。また、お忙しいところお越しくださいましたパネリストの皆様にも御礼申し上げます。何かご質問等ございましたら、また、Parent Partnerの活動にご関心がある方はご気軽にご連絡ください。今日のディスカッションが皆様のお役に立てたことを願っております。

 

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ご参加パネリストの皆様、保護者の皆様、そしてNISのコミュニティのためにこの素晴らしい企画を実行してくださったOutreachチームの皆様に心より御礼申し上げます。

それぞれのご家庭で様々な事情や夢がおありになる中で、100人全てに合う学校を見つけるのは難しいとは思いますが、こういったイベントが少しでも皆様のお役に立てれば光栄です。

どうもありがとうございました。